こんにちは、Dancing Shigekoです!
作品紹介が興味深かったので鑑賞してみました。
今回は映画『トラスト・ミー』を紹介します!
[基本情報]
原題:TRUST
監督:ハル・ハートリー
脚本:ハル・ハートリー
製作:ブルース・ウェイス
ハル・ハートリー
音楽:フィル・リード
撮影:マイケル・スピラー
編集:ニック・ゴメス
上映時間:107分
[登場人物]
マリア:エイドリアン・シェリー
高校を退学処分になった17歳。妊娠したが、彼氏から冷たくされ中絶を考える。
化粧している時よりも、眼鏡かけた表情の方が親近感がある。
マシュー:マーティン・ドノヴァン
テレビ修理をするも長続きしない。父親からひどい仕打ちを受けている。
テレビの修理ができる実力があるというのは羨ましい。
ジーン:メリット・ネルソン
マリアの母。自分やペグと同じような経験をさせたくないためにマリアに厳しく当たる。
夫を心臓発作で亡くしたからそんな陰湿な態度なのか、と思ったらどうもそうではなさそうなのが見えてくる。
ジム:ジョン・マッカイ
マシューの父。マシューのすることを全否定。
息子のやることに口出ししたくなる心境が少しばかり分かってしまう。
ペグ:イーディ・ファルコ
マリアの姉。二児の母で離婚した。
見るからにやんちゃな母親という感じ。
[内容]
マリアは高校を退学処分になり、妊娠してしまったものの恋人アンソニーからは面倒見られないと突き放されてしまう。
マシューはテレビ修理の仕事をクビになり、家では父親からなじられて散々な日々を過ごしている。
そんな二人が偶然廃屋で出会い、お互いの不幸に惹かれ合う。
[感想]
何かとうまく行かない二人が巡り合い、支え合う作品。
<描きたかったものは?>
・荒れた感じの登場人物たち
マリアは高校退学処分、父親と喧嘩になり、ひどいことを言って飛び出して行ったら、父親が心臓発作で亡くなる。妊娠して、恋人と一緒に暮らそうと思っても、恋人のアンソニーはアメフトの奨学金を手に入れるためにそれどころではないと、あしらってくる。散々な感じ。帰っても母親が父親を殺したのは、あんただと非難してきて、次々と注文をつけてくる。流れが悪い時にはとことん悪いものだと感じる。
一方、マシューはテレビを毛嫌いしていて修理なんかしたくないと、修理しているテレビを破壊してクビになる。帰ってたら、帰ったで父親からの罵詈雑言が待ち構えている。こちらもまた決して良い環境とは言えない。
ただ二人に共通しているのは、もう少し自制していたら、もっと安泰だっただろうにと感じる。
そんな二人が偶然、夜を過ごそうと寄っていった廃屋で知り合って、マシューは勢いで結婚して、この街を出ようと言い出す。不思議な展開。
夢の国、アメリカでもこうして苦労している人たちを描きたかったのか。
あるいは、親の愛情が注がれないと、荒れた子供に育つと言うのを伝えたかったのか。
<踏んだり蹴ったり?>
・ボロボロの中に光が見えた
マリアは恋人に振られ、妊娠しているのに中絶するお金もなく、母親からは酷使され。ビールを買おうとしたら、店員にキスを迫られ、さらには強姦されそうになる。ベンチで話を聞かされていた女性は赤ちゃん盗んで逃げていくとか。
とにかくボロボロ感がすごい。そしてこの映画に出てくる人は喫煙率が高い。マリアも姉のペグも、マシューも。とにかくぷかぷか。
それでもマシューと出会い、結婚できるかもという可能性を感じてからは、マリアは少しずつ高校生らしく生活をするようになっていく。髪の毛も普通に括るようになり、眼鏡をかけて、おとなしい感じへと変貌。
最後は高校に戻るという流れで、やり直そうとしている感じで終わっていく。
そんな結末を迎えたマリア。
いつも映画を見終わった後に、その役をしていた女優、俳優が誰だったのか経歴も調べるのだけれど、マリア役のエイドリアン・シェリーはすでに亡くなっている事を知って、衝撃。
なんというか、この映画のように大変な感じの人生だったのだろうか、と思えてしまう。40歳にして他界しているという事実、この作品を撮った頃は24歳くらいだったと考えると、それで高校生っぽく見えたのだから、そこにも不思議な感じを抱いてしまった。
見終わった後にも何かやるせなさが残る作品だった。
<のんびりとした土地>
・アイランド警察
最後、訳あってマシューがパトカーに乗せられる。そのパトカーにはisland policeと書かれている。そのことから、どこかのアイランドとつく地名の場所だと分かる。
調べてみるとロングアイランドらしいのだけれど、実にのんびりとした感じの街並みだった。ストーリーがのんびりしているというか、日常生活の中の苦労を描いているからなのか、ありきたりの街並みに見えてしまった。
駅からゾロゾロとパイプと帽子の男性が出てきて駐車場に向かっていくあたりの風景は、日本とは違うと感じる駅前感があって、海外なんだなぁと感じた。
人生にもがく人たちが必死に生きていく様子が描かれていて、特に高校生という立場は守ってあげないといけないと感じる作品だった。
鑑賞日:2023年1月9日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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