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映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』 惨事を乗り切る

執筆者の写真: Dancing ShigekoDancing Shigeko

更新日:2024年10月26日

 こんにちは、Dancing Shigekoです!

 USJが平日のみ営業を再開しましました。緊急事態宣言下ではありますが、少しずつ生活が元に戻っていくのでしょうか。

 今回は、映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』を紹介します!


[基本情報]

 監督: 中村義洋

 原作: 海堂尊

 主題歌: EXILE「僕へ」

 配給: 東宝 TBS

 制作年: 2009年

 上映時間: 123分


[登場人物]

田口公子: 竹内結子

 不定愁訴外来の医師であり、倫理委員会の委員長。速水医師の癒着を訴える告発文を受け取り、調査することになる。

 速水が退職しようとしているところを、倫理委員会の委員長として、速水に処罰を言い渡す時の颯爽とした口振りは、原作の田口を思わせた。


白鳥圭輔: 阿部寛

 厚生労働省の役人。告発分を受け取り、東城大学医学部附属病院にやってくる。

 今回は車椅子に乗っている姿ばかりの白鳥。微妙な存在感と思いきや、肝心のことはきっちりやっていたのがさすが。


速水晃一: 堺雅人

 救急医療センター長。ジェネラル・ルージュの異名を持つ。

 半沢直樹のイメージが強い堺雅人が速水を演じている。どうも半沢のイメージが強いのと、原作ではもう少し長身の印象があったので、ギャップあり。


[内容]

 田口のもとに、救急医療センターの速水が業者と癒着していると言う告発文が届いた。田口は調査にあたることになった。そんな中、白鳥が骨折で搬送されてきた。怪我を装って彼もまた、速水を告発する文を受け取って調査に来ていたのだった。

 聞き込みをして、特別臨時倫理委員会で速水に事実確認をすることになる。呼び出された速水は潔く事実を認めるが、それは救急医療センターの消耗品などのためだったと言う。病院の規則に反する行動だと迫る倫理委員会 副委員長の沼田や事務局長の三船に対して、退職する意思を示す速水。しかし、副センター長の佐藤は懲戒にするべきだと申し出る。その時、緊急の電話が入る。タンクローリーが横転して、ショッピングセンターにまで火災が広がったと。

 速水は部下を連れて、救急の指揮をとる。次々と搬送されてくる重症者を全員で治療していくのだった。

[感想]

チーム・バチスタの栄光の続編。

・前半と後半とで異なるスピード感

 速水が癒着している。その事実を暴こうとする動きが中心の前半戦。正直、やや退屈。淡々と進んでいく感じなのと、仮に速水の癒着が真実だったとして、何が起きるのか、今ひとつ問題の度合いが伝わってこない。倫理委員会で速水が事実を認めると、あっという間に速水を追放しようとする動き。

 ところが、その動きの理由が直後に明確になる。実はメンタルヘルス診療棟を新規に作るために邪魔者を排除しようとしていたというのが理由。

 速水の失墜かと思いきや、沼田の失墜で終わろうとしていた時に、全員の電話がなりだす。最初何か、異常なことをしているサイコパスでもいるのかと思ったのだけれど、実際に事故が発生しているという展開。後半のスピード感が前半とは比べ物にならない。

 前半と後半の緩急の違いは見ていて見応えがあった。


・一体感が伝わってくる

 タンクローリー横転で火災が発生。そして大量の重傷者が搬入されてくる。その前にロビーを広げて待機する東城大学医学部附属病院の医師、看護師たち。そのチーム感がすごかった。その直前まで倫理委員会で速水と他の医師とでいがみ合っていたことも忘れさせる協力体制。人の命がかかるとここまで結束できるのだから、すごいとただただ感じてしまう。

・権力に取り憑かれている

 沼田のメンタルヘルス診療棟計画を実現するために、部下が磯部を殺害したという。そのことを何事もなかったかのように話している様子が非常に怖かった。人は、何かの信念に取り憑かれた時、こうも異常な行動が取れるものなのか。いや、そんなことはない。この人が常軌を逸していただけなのだと信じたい。

 そんな彼の存在も、タンクローリー横転による騒然とした様子が始まって以降は、あまり重要なパートではなくなっていた。


 田口らしさが最後に出た作品だった。


 鑑賞日:2021年5月29日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!

 それでは、また明日!


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