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小説『回廊亭殺人事件』若い女性がそこまで!?

執筆者の写真: Dancing ShigekoDancing Shigeko

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 テレビで放送されていたのをきっかけに原作を。


 今回は小説『回廊亭殺人事件』を紹介します!


[基本情報]

 著者:東野圭吾

 出版社:光文社文庫

 出版年:1991年

 ページ数:308ページ


[登場人物]

本間菊代

 本作品の主人公。本当は桐生枝梨子が老婆に扮している。


[内容]

 桐生枝梨子は恋人である里中二郎を殺した犯人を見つけるために、一ヶ原高顕氏の遺書公開日に潜入することを決める。遺書公開の場に立ち会えるように高顕氏と繋がりの強かった本間菊代に扮して、潜入する。

 一ヶ原家の関係者が回廊亭に一堂に集まる中、半年前に起きた里中二郎の心中事件の真犯人を探し当てるために罠を仕掛けていくのだった。

[感想]

 恋人を殺した真犯人を見つけるために一人の女性が老婆に化けて関係者の中に潜入する作品。

・30代の女性が70歳に化ける

 今回の主人公は半年前に心中事件で火事に巻き込まれた桐生枝梨子。彼女が復讐するために、老婆に化けて、関係者の前に現れるという流れ。もともと30代の女性が70歳の老婆に化けて行動という設定。

 半年間かけて本間菊代になりすます生活を送ってきたという彼女。それでどれだけ関係者を騙せるのか?ちょっと無理がないのか?どこかでボロが出るように感じる。

 実際、回廊亭の長い廊下を飄々と歩いていくために、そのことを指摘されたり、逃走の時に池をジャンプして飛び越すなど周りから見られたらすぐにバレそうなもの。

 また話し方はどれだけ騙せるのか?声色とかは油断したら地の声が出てしまうのではないかなどと感じる。

 これだけの騙しができる人がいるなら、それはどんな人なのだろう?自分は騙されてしまうのだろうか?会ってみたいと思った。


・遺産を狙う人々

 枝梨子の恋人、里中二郎は枝梨子を殺して、さらに自分も死ぬという心中を狙う。ところが枝梨子は救助されて重度の火傷は残ったものの、生き残る。そして心中は罠に違いないと確信している。そして当時の現場にいた一ヶ原家の人々が集まるタイミングを見計らっている。

 その場と言うのが遺書公開の場。一ヶ原高顕は、事業を成功させて莫大な資産を遺して亡くなる。彼の兄弟、家族が揃う。あまり遺産を狙っているガツガツ感は出ていないものの、事件の背景には遺産の匂いがぷんぷんと言う世界観。

 とは言え、遺産を狙うハイエナのような人物像というのは少なく、皆ある一定の距離感で遺書の中身がどうなっているのかを知りたがっているという印象の作品。


・事件の顛末

 そして最終的に誰が里中二郎を殺したのか、犯人が明らかになる。その展開、最終的な結末は意外性に富んでいた。けれど、どこか本当にそこまでうまく人を騙せるものだろうか、という疑問が残る。

 ちょうど本作品のドラマ版を録画しているので、映像になるとどうなのか。本当に気づかないものなのか、という観点で見てみたいと思った。


 変装でそこまで人を騙せるものなのか、と最後まで疑問が残る作品だった。


 読了日:2024年10月8日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!




 
 
 

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