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小説『君のクイズ』クイズに挑戦!?

執筆者の写真: Dancing ShigekoDancing Shigeko

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 fm802浅井博章氏紹介の一冊。


 今回は小説『君のクイズ』を紹介します!


[基本情報]

 著者:小川哲

 出版社:朝日新聞出版

 出版年:2022年

 ページ数:189ページ


[登場人物]

三島玲央

 本作品の主人公。数々のクイズ大会で優勝した経歴を持つ。

本庄絆

 クイズを売りにしているテレビタレント。広辞苑を全て記憶しているという。


[内容]

 第一回Q-1グランプリ、三島玲央は初代チャンピオンまであと1問のところまで来ていた。しかし、対戦相手の本庄絆は、二回誤答で後がない中、1問正解して6-6で並ぶ。

 運命の最終問題、本庄はゼロ文字押し解答で正解し、逆転優勝する。

 なぜ本庄はゼロ文字で解答できたのできたのか、ヤラセだったのではないかと物議が醸し出される中、試合後、本庄は沈黙を守る。

 三島はヤラセだったのか、真相を知りたい一心で、本庄がこれまで参加してきたクイズ番組の録画などを研究するのだった。

[感想]

 クイズ番組、最終問題で起きたゼロ文字押しの真相を探る作品。

・クイズに出る人たちの心境

 三島が本庄の最後の解答はヤラセだったのかを知るために、彼のこれまでのクイズの答え方を調べていく。おかしなタイミングで解答していないか、そのタイミングで解答できるものなのか、と言った観点で考えを巡らせている。5文字くらい読み上げられた時点で解答していた場合、そこからどんな風に問題が展開していくか、選択肢を上げて精査している。

 その思考プロセスが実に興味深い。


・クイズに挑戦したくなる描写

 この作品、いろんな問題が実際に出てくる。それぞれの問題に対して、考えを巡らせていく様子が描かれる。そういった一つ一つの問題に対する考え方を見ていると、いろんな知識を身につけてクイズに挑戦してみたい気持ちが強くなってくる。

 知識をつけるだけではダメで、クイズを解けるように練習も必要なのだと知って、クイズへの取り組み方を垣間見た気がした。


・生放送でのクイズ番組

 沈黙になったり、誤答が続いたり、早押しなのに遅押しになって解答と言った面白みに欠ける展開になるリスクがあるクイズ番組。それを生放送で実施した場合、何が起きるか。そうならないように番組制作陣はなるべく出演者(挑戦者)の過去の戦歴や得意分野などの調査をするのだという。

 そういえば、以前アタック25の予選(筆記試験)に参加した際に、最後プロフィールの記入を求められた。予選の結果が良くて本戦出場になった時の情報として使うという。そういう工夫がされているのだと改めて感じる。

 生放送だったら、ますます細かいところまで配慮するのだと理解。単に問題を読み上げているだけではなく、答えられるように作っているという配慮があって、そのためにいろんな調査をして問題を作っているのだと知って、番組サイドの苦労を感じた。


 知識をつけることはクイズに挑戦する基礎になる。日々いろんなことを学んでいこうと思うようになる一冊だった。


 読了日:2024年11月22日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!


 
 
 

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