
こんにちは、Dancing Shigekoです!
映像化作品を読んでみる。
今回は小説『11文字の殺人』を紹介します!
[基本情報]
著者:東野圭吾
出版社:光文社文庫
出版年:1990年
ページ数:356ページ
[登場人物]
名無しの女性
推理作家。本作品の主人公。おそらく作中、名前が出てこない。
萩尾冬子
主人公の親友で出版社に勤めている。
[内容]
恋人の川津が殺された。彼女は冬子と協力して彼の死の原因を調べ始める。最後に会っていた山森と話をしたり、川津の遺品整理を手伝ったりするうちに、一年前のクルーザー転覆事故が関係していることが浮き彫りになってくるのだった。
[感想]
推理作家の主人公が恋人の死の真相を探る作品。
・警察に任せないものか?
川津の遺品で関係しそうなものは送ると言って、主人公の自宅に届く。二箱届いた荷物を開封せずに置いて出掛けていく。自宅に戻って箱を見ると片方だけ誰かに開けられたような痕跡がある。
この時点で警察に届出をするものだと思う。誰かが不法侵入してきて、かつダンボール箱を開けて行ったというのだから、明らかに犯罪。不法侵入されたという事実だけでも、身の安全を考えるなら通報すべきところ。
しかし彼女は警察に伝えることはなく、自分で調べる道を選ぶ。もっと違和感なく自分で調べています、という雰囲気は出せなかったものか?
身に危険が及ぶとは思わなかったのか?
彼女の対応の仕方に違和感を覚える展開だった。
・最後まで名無し
主人公の推理小説作家の女性。最後まで名乗らなかったように思う。彼女視点で物語は常に進んでいき、相手から名前で呼ばれることもなく、結局、最後の最後まで名前が分からずじまい。それだけに正直、犯人は主人公、と思う瞬間もあった。
その読みは間違いで終わったものの、何か最後に大きく物事をひっくり返す事実が明らかになるのではないか、と想像していた。
しかし自分の想像と異なり、主人公の名前が語られないことに大きな理由はなさそうな感じで終わった。
見落としていないと思うのだけれど、名前はなんだったのだろう。私が読んだ印象で名前をつけるなら、如月沙織だろうか。(特に理由があるわけではない)
・人の命とは
小説とは言え、一冊のストーリーの中で複数人被害者が出ると、現実には起きないことだと感じる。この作品でもかなりのテンポで被害者が出て、さすがにやりすぎなのでは?と感じてしまう。
裏を返せば、それだけ憎しみが大きいということなのだと捉えて読み進める。
今回の事件のきっかけとなった転覆事故。その時のやりとりを知った時、どう思うのだろうか。真相を知っていたのなら、被害に遭う順番は違くなるのでは?と最後、少しばかりモヤモヤが残った。
事故の背景は意外な印象。犯人はなんとなく分かってしまう感じの作品だった。
読了日:2024年11月8日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
Comments