
こんにちは、Dancing Shigekoです!
アメリカの9歳のユーチューバーが年収30億に達しているというニュースを読みました。世の中、すごい人がいますね。私も少しでいいので近付いてみたいですね。
さて、今日は東野圭吾作品 小説"雪煙チェイス"を紹介します。
[登場人物]
脇坂竜美
大学4年生。以前、脇坂が散歩係のバイトしていた家の福丸氏が何者かに殺された。現場に残っていた指紋から脇坂が第一容疑者として捜査対象になる。脇坂はその時刻にアリバイがあったことを証明できる証人を探しに、里沢温泉スキー場に向かう。
スノーボードが好きなのがとてもよくわかる描写で始まる第1章。この小説はスノーボードに特化した内容なのかと思わせておいて、意外な展開が待ち受けていた。
小杉敦彦
所轄の刑事。上司の命令で、後輩の白井と共に二人で里沢温泉スキー場に捜査に向かう。
所轄と本庁の権力争いに振り回されていることに嫌気をさしながらも、上司の指示に従わざるを得ないでいる。捜査で知り合った女将の影響でその考え方に変化が生じる。
刑事も組織の権力争いに振り回され、疑問を感じながら仕事(捜査)をしているのだと感じさせる存在でした。
[内容]
福丸家で絞殺死体が見つかる。現場の合鍵に残っていた指紋から脇坂が容疑者として挙がる。
隣人から、警察が来たことを伝え聞いた脇坂は一緒に飲んでいた友人の波川と共に、脇坂のアリバイを証明してくれる女神を探しに里沢温泉スキー場に向かうのだった。彼らが里沢温泉スキー場に向かったことをいち早く掴んだ所轄は、小杉と白井の二人を現地に向かわせ、脇坂を探させるのだった。
[感想]
単独の小説と思って読んでいて、ふと”里沢温泉スキー場”の地名が以前出てきたように感じる。実は『疾風ロンド』の舞台となっていたのも、この里沢温泉スキー場。実在するスキー場ではないのだろうけれど、すごく広くて、満喫できる雪質である感じの描写を読んでいると行ってみたくなるもの。名前から想像するに野沢温泉スキー場?がベースになっているのだろうかって考えてしまう。
そう言ったスキー場の広大さと雪質の描写を楽しみつつ、他にも根津や瀬利千晶の登場、さらには高野、川端のスクールに来ていた二人も登場して、地味にリンクが張られていたのが面白い。前作は場所探しで、今回は人探し。さらに探しにきた人は、前作では一般の会社員で、今回は探偵と嘘を言って近付いてくる刑事。シチュエーションが違うから、当時の人たちが、また事件に巻き込まれた、と感じずにいられる秘訣。前作の人々と今回の登場人物が上手に融合した流れになっていたのが面白かった。そんな感じの登場人物だったので、脇坂が探している新月高原で見かけた女神は、前作の山崎育美なのかな?と期待しながら読み進めてしまいました。実際には違う人物が女神だったのだけれど、そう期待させる人物の登場の仕方でした。
前作からの登場人物で、根津と千晶が最後結婚することになったのはよかった。正直、根津が最初に登場した時には、まだ結婚していなかったのだと意外に感じていたので、最終的に結婚する形になってよかったと感じてしまった。しかし、その結婚することになったきっかけというのがまた面白い仕掛けだった。
興味深かった描写としてゲレンデウェディングの準備が物語の中で並行して進んでいく。その準備の様子を読み進めていると、本当にゲレンデウェディングなるものがあるのかと、見たくなりました。ウェディングドレス姿の花嫁が滑降してくるってどんな感じなのだろう。
今回は、女神を探す脇坂、波川ペアと、脇坂、波川を探す小杉、白井ペア。それぞれがちょっとずつ目的に近付いていく緊張感が読み進んでいく中でよかった。最後までどっちが先に見つけるのかって感じで楽しめた。
そして小杉が、自らの意思で真犯人を探すために、上司の命令を無視して、独自捜査に乗り出す心の変化が、組織にいても自分の信じる道を持っていないといけないっていうメッセージに感じられる作品でした。
読み応え満点の作品でした。
読了日:20年12月13日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また明日!
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